Office TEAM101

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負けない、というのは勝つことではない

トレードという世界で、往々にして過大な損失を出す人は、ほとんどの場合「感覚」や「思い込み」、また「自己正当化」や「希望的観測」に支配されている。

 

特に、損失が出ているとき、含み損が拡大しているとき、もっと状況が良くなると安易に信じこんで行動する人が多いように思う。

 

Youtubeのような動画サイトでも、過大な損失を出して断末魔の悲鳴を上げている人は枚挙に暇がない。

 

なんとなく勝てる気がする。

これならいける気がする。

こうすれば勝てるはずだ。

間違いなくこれなら勝てる。

俺は間違っていない。

また上がるはず。また下がるはず。

 

 

これらの感情のすべてにはなんの根拠も無い。

 

 

確実に言えることは、こういう感情に支配されているトレーダーたちは、間違いなく退場することになるし、こういう感情に支配されているトレーダーたちは「勝つ」ことを考えている。

 

根本的に考え方が間違っているのだ。

 

トレードにおいて最も重要なことは「勝つ」ことではない。

致命的な「敗北」をしないことだ。

 

致命的でない負けは、学びを与えてくれる。そして、新しい知識や価値観を与えてくれる。

そこに学ばないものは「勝たなければならない」という間違った意識のままトレードに向かう。

そして同じことを繰り返す。

 

致命的な敗北をしなければ、また市場に入っていける。その状況を維持しつつ、徹底的に致命的な敗北を避け、「負けない」ことを考えていくことが必要だ。

だが多くのトレーダーたちは自分を特別な存在だと思い込み、「勝ち」にいく。

結果はおのずと明らかになる。

 

証券の価格というものは主観では判断してはならないものだ。

歴史に基づき、明確な根拠をもって「致命的な敗北」を避けて数多くのトレードをこなしていけば、勝率は限りなく5:5に近づいていく。

その中で、常に研鑽を怠ることなく、自分が「常にどこか間違っている」と認め、あらゆる角度から市場と自分の心の動きを分析し、前向きに取り組む者だけが前に進んでいけるのだ。

 

断言するが、100%絶対に勝てる方法など存在しない。

負けは必ずある。そしてその中にこそ学びがある。

それに気づくことなく「勝つ」ことだけを目的にした欲深い人間は、決して市場で生き残ることはできない。

 

それを学ぶために、強くなるために、日々困難に耐え努力を惜しまず、幾多の致命的でない敗北とささやかな勝利を積み重ねた者だけが、生き残り普通ではない資産を手にすることが出来る。

 

学ぶつもりもなく、ただ漫然と己の心の弱さに負け続ける人間は、決してこの世界に足を踏み入れるべきではない。

 

本気なら、本気で学べ、ということだ。

これはどんな世界でも同じだと思う。

本気になったなら、あらゆる努力を惜しまないはずだ。

本気なら、たとえどんなことがあっても実現する、という気持ちになるはずだ。

 

もうここまでやったら十分だ、などというのは幻想だ。常に、進化を止めない者だけが、おのれを律することを忘れない者だけが、成功、という果実を手にすることが出来るのだ。